呼びかけ文小林拓矢案その2

 もう一本呼びかけ文の案を考えてたので、これも掲載します。

呼びかけ文(案)その2
小林拓矢

 時々、フリーランスを出入りの使用人にしか思っていない出版社がある。社内の雑用を押し付けたり、社員がやればいいことをわざわざライターにさせたり、パワハラをしたりと、社員への悪い対応が何故かフリーランスにも振りかかる。実際にただ働きさせられることは時折ある。
 社員編集者に非常識なことをされ、嫌な思いをしたフリーランスは多いはずである。だが、出版業界を支えているのもフリーランスである。
 フリーランスは、いろいろな意味で待遇が悪い。原稿料などのギャラだけではなく、いろいろな意味での扱いも悪い。出版不況以前のことは知らないが、私がフリーになった2005年以降、フリーランスの状況がよくなったという実感は全く感じない。
 本や雑誌では、ワーキングプアと呼ばれる働く貧困層の問題がよく取り上げられている。しかし、その出版業界にも当然ワーキングプア問題がある。しっかりとした技能を持っているものの、かつかつの生活を強いられているフリーは多い。時間と貰えるお金を考えると、最低賃金以下のことはよくある。
フリーランスなんだからデモなんかやらないで自分で勝ちとれ!」と弱い立場のフリーを馬鹿にする声が、出版社のみならず有名な文筆家などからも挙げられる。しかし、出版業界の構造不況の中で言えず、もちろんフリーは弱い立場なので言えない。
「デモなんてやるのは如何なものか」という声もある一方、「フリーランスが団結してデモをやるべきだ」という声もある。しかし、過去行われたとは一度も聞いたことがない。
 ならば、実際にデモをやってみよう。出版業界が貧しいフリーによって支えられ、その待遇を向上しないことには出版不況は脱せられないと、見せつけようではないか。